犬の車酔いを防ぐ7つの対処法!車酔いの仕組みを知れば改善できる!

公園やドックランに行ったり、犬と一緒に泊まれるホテルを予約して旅行に出かけたりと、犬と一緒のお出掛けは楽しいですよね。
しかし、途中で犬が車酔いして困ったという飼い主さんもいることと思います。特に生後1年未満の仔犬で酔う場合が多いようです。

「うちの子は乗り物酔いするので車でのお出掛けは無理だ」とあきらめてはいませんか?

日常的に車に乗せていると、多くの犬はやがて慣れ、嘔吐することもなくなります。

ただ、中にはいつまでも慣れない犬もいます。
今回は、酔ってしまう犬の飼い主さんへのアドバイスになればと思い、犬の車酔いについてまとめてみました。

なぜ車酔いするのか、そしてどうしたら車酔いを改善できるのかを見ていきたいと思います。

 

車酔いの症状

犬が車酔いをしたときに出る症状はいろいろとあります。
症状をまとめると次のようになります。

  • あくびの回数が増える
  • よだれの量が増える
  • 落ち着きがなくなる
  • 震える
  • 嘔吐する

人であれば嘔吐する前に「気持ち悪い」「吐きそう」と伝えることができますが、犬は言葉にして飼い主に伝えることができません。
はじめて車での外出であれば、嘔吐してはじめて車酔いしていることに気づくこともあると思います。

しかし、その前に震えであったり、よだれであったり、何かしらのサインを出していることが多いので車に乗せたときには十分に注意しましょう。

なぜ車酔いするのか

そもそも車酔いはなぜおこるのでしょうか。

耳と目と脳の関係

車酔いの仕組みについては人も犬も同じです。
車に酔うのは目と耳と脳が関係していると言われています。

耳の中の内耳には平衡感覚をつかさどる三半規管耳石器という二つの器官があります。

三半規管は中にリンパ液が入っていています。頭が傾くとリンパ液が動き、それによって体の回転を感じとります。
耳石器は中に平衡砂という炭酸カルシウムの結晶が入っています。その動きによって上下方向や水平方向の直線の動きを感じとります。

この耳の二つの器官からの平衡感覚の情報が脳を通して目に伝えられ、揺れに連動して眼球が動きます。その眼球の動きの微調整によって、見ようとするものが止まって見えているのです。

たとえば、目の前のテーブルに置かれたコップを見つめているとします。頭をゆっくり左右に動かしても、眼球を動かしてコップを見ることによって、コップが止まって見えています。
つまり、見ようとするものが止まって見えるように耳からの揺れの情報に応じて目が調整しているのです

また、目は体のバランスにも関係しています。目から入ってくる視覚の情報と耳から感じ取る平衡感覚の情報が脳に伝えられ、それによって体を安定させて倒れないようにバランスを取っています

ではこの耳と目と脳の関係がどのように車酔いと関わってくるのでしょうか。

耳と目の情報のズレと車酔いの関係

先ほど述べたように、耳からの揺れの情報に応じて目が調整して動いているのですが、普段の生活での揺れであれば目も対応することができます。しかし、車の発進や停止、カーブなどの慣れない揺れがあると、耳からの平衡感覚の情報に眼球の動きが追いつかなくなります

先ほど、目の前のテーブルに置かれたコップを頭をゆっくり動かして見つめる例を上げました。
たとえば、今度は頭をできるだけ早く動かしてコップを見るとどうなるでしょう? たいていの人は眼球の動きが追いつかず、コップがブレて見えてしまうことでしょう。

これは耳と目の情報の間にズレがおきてしまい、目の焦点を合わすのが難しくなり、平衡機能障害をおこしてしまったためです。
平衡機能障害とは自分では調節できない身体や目の揺れがおきてしまうことです。

平衡機能障害という言葉を聞くと「めまい」や「ふらつき」を想像するかもしれません。しかし、車に乗っているときには、めまいやふらつきを自覚しない平衡機能障害がおこります

たとえば、車に乗っていて何にもつかまっていないときに急カーブがあると、身体のバランスが崩れてしまいます。また、揺れが激しいと目の焦点を合わすのが難しくなります。
これが車に乗っているときにおこる平衡機能障害です。

しかし、平衡機能障害をおこしているだけでは車酔いをしているということにはなりません。激しい揺れが長い時間続き、平衡機能障害の次に自律神経の乱れがおきて初めて車酔いをしていると認識します

体や目の揺れが激しく長く続くと、脳への情報量が過剰になります。脳がその情報を処理しきれなくなると、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。すると自律神経の働きが乱れ、心臓や血管などの循環器や胃や腸などの消化器をコントロールできなくなります

そのことにより様々な車酔いの症状がおきるのです。特に目や頭の揺れが強いと車酔いの症状が出やすくなる傾向があります。

たとえば、車の中で本を読んだり携帯の画面を見たりするときには酔いやすくなります。
なぜなら、車外を見ていないと揺れの予測がつきにくいためバランスも崩しやすく、それによって目の焦点を合わすのも難しくなるからです。ほんの一瞬携帯の画面を見るだけであれば大丈夫であっても、長時間見続けていると自律神経の働きが乱れて車酔いをおこすのです。

犬は本も読みませんし携帯も見ません。しかし、近くばかりを見ているとこれと同じ状況になります。
犬が車内で目の前に入る景色、たとえば、おもちゃ、床、シート、飼い主さんの顔など、近くばかりを体が揺れる状態で見ていると車酔いしてしまうのです

その他の要因

車酔いは体調不良汚れた空気不快な温度ガソリンのにおいなどでもおきやすくなります。
また、過去の車酔いの記憶がストレスとなって車酔いを引き起こすなど、精神的な不安が車酔いを引きおこすこともあります。

たとえば、「車に乗って病院に行って痛い思いをした」などの嫌な記憶があった場合、その不安により酔いやすくなることも考えられます。
車に乗ると嫌なところに連れて行かれるという思いから次に乗った時にも酔いやすくなっているのかもしれません。

車酔いを防ぐ7つの対処法

普通は車に乗る体験を重ねることで、耳からの情報と目からの情報のズレに慣れてきます。
それは、人も犬も過去に経験した動きからの刺激に対しては鈍感になるという傾向があるためです。何度も車に乗れば過度に刺激を感じることが少なくなり、車酔いしなくなるのです

しかし、車に慣れるまでの期間をできるだけ短くしたいものですよね。

そのためには車に乗る時の環境を整え、車に対する不安を取り除いて、安全運転を心がけるのが車酔い克服への近道となります。

では車酔いを防ぐ7つの対処法について具体的にみていきましょう。

1.車の乗せ方

体が揺れないようにする

もし視覚情報により車の動きをあらかじめ把握することができれば目もそれに対応できるようになります。

たとえば、車を運転する人は酔うことはありません。
なぜなら、前方がよく見えるため車の動きをあらかじめ把握することができるからです

そして車の進行方向を自分で分かっているため、右折や左折による左右の揺れやアクセルやブレーキによる前後の揺れに対して目も体も脳もそれに反応して自然にバランスをとることができるからです。
また、ハンドルを握っていることから身体の揺れも最小限になるため酔うことがないのです。

では、犬を車に乗せるときには車の中で自由にさせていますか?

もしそうだととしたら、車の中で自由に動き回っている犬にとっては車の動きは把握できないため、どのように揺れるかわからない状態になっています。そのような状態で不規則な揺れが過度に続くと車酔いをおこしやすくなります。

車酔いを防ぐためには、できるだけ体が揺れないような工夫をしなければいけません。

そのためには車に乗せるときはキャリーバックやクレートやケージに入れて後部座席にシートベルトで固定するか、ラゲッジスペースに乗せるのが理想です。

クレートの中などに入ることにより、体の揺れも最小限になります。また、シートベルトで固定することにより、事故の際に車外に投げ出される心配もなくなります。

ラゲッジスペースで不安定になるような時には下にタオルや毛布を敷いて揺れない工夫をしましょう。

景色を見せる?見せない?

人に対しての酔いにくくなる方法として「遠くの景色を見る」というものがあります。
遠くの景色を見ていると酔いにくいと言われるのは、耳からの情報と目からの情報のズレが少なくなるからです

運転席や助手席では、前方がよく見えるため車の動きをあらかじめ把握することができ、体もそれに合わせて反応できます。

しかし、横に流れる近くの景色だけを見ていると、目から入ってくる情報から揺れを予想できず、体を安定させることができません。
また、眼球を動かす能力には限界があるため、横に流れる景色のような、近くで速く動くものはきちんと目で追うことができません。

その限界を超えたときに平衡機能障害が起こり、それが続くと自律神経をコントロールできなくなり酔ってしまいます。

つまり、犬が車外の風景を見ている状況で酔うようであれば、それは近くの流れる景色を見ているからです

その場合には、クレートに入れるなど外の景色を見えなくしてみるほうが酔いにくくなります

ただ、反対にクレートの中だと酔うのに、外の景色を見せてあげると酔わないという犬もいます。
上手に遠くの景色を楽しんでいるのかもしれませんし、楽しさに意識を集中していることによって酔いにくくなっているのかもしれません。

外の景色を見せる時には、安全のために後部座席で犬専用のシートベルトに繋いで、窓の外へ顔を出さないように注意しましょう

2.安全運転を心がける

犬の体ができるだけ揺れないようにクレートなどに入れたとしても、車自体の揺れが大きいと結局は体も揺れてしまいます。

そのためには運転する人が優しい運転を心がけるようにしましょう。

急発進、急停止、急カーブ、小刻みなアクセルの踏込などは避け、安全でスムーズな運転をすれば揺れは最小限に抑えることができ、車酔いの防止にも繋がります。

3.余裕のある計画を立てる

食事はできれば車に乗る2時間前に済ませましょう。
どうしても直前になる時には少量にとどめるのがいいでしょう。

ドライアブ中に、元気がなくなる、よだれが増える、震えてくるなど、途中で犬が酔っていると気づいた場合には、できるだけ早く休憩できる場所に車を停めて、外の空気を吸わせるようにしましょう。

酔っている兆しがないとしても、長くても2時間おきくらいに休憩を取ることが望ましいです。

休憩時には食事は与えず、水も少量にしましょう。

長距離ドライブの場合には、目的地に着くまでの移動時間に余裕をもった行程で計画を立てるようにしましょう

4.車内のにおいに注意

犬の嗅覚は人の100万倍以上といわれています。犬によって多少の違いはありますが、犬には嫌いな「におい」があります。

ガソリン、アルコール、香辛料、虫刺されの薬、メンソール、マニキュア、香水、柑橘系、タバコ・・・などの「におい」を苦手とする犬が多いようです。
これらの「におい」が車内にあることによって酔いやすくなることがあります。

ガソリンのにおいの対策としては、給油は前日までに済ませることによって、ある程度は車内のガソリンの「におい」を減らすことができます。

その他の「におい」についてもできるだけ注意するようにし、犬を乗せる前に車内の清掃をし、換気に気をつけましょう

エアコンからの「におい」も酔いの一因となることがあるので、消臭剤を使うのもいいでしょう。

5.車内の温度に注意

車内の温度が高すぎると酔いやすくなります。

人が乗っているところは快適な温度でも、クレートの中の温度は高くなっている可能性がありますので、犬がいる場所の温度に気を配りましょう

また、夏場など屋外に長時間車を停めていると、車内はかなりの高温になっています。
休憩から車に戻ってきた時などに、直ぐに車に乗せて出発すると酔いやすくなります。

犬を乗せる前にエアコンを効かせ、クレートなどに入れる場合にはその中の温度も確認して、ある程冷えたところで犬を乗せるようにしましょう

6.車に対する不安を取り除く

先ほど「その他の要因」でも述べたように、車への不安が強い場合に車酔いすることもあります。

車に乗ると予測することができるとき、たとえば飼い主が車のキーを持ったときや車のドアを開けたときに、それに反応して車に乗る前から大量のよだれを垂らし始めることもあります。
一度酔うと、車自体を恐がってしまうことがあります。

恐がって車に乗りたがらない時には少しずつ車に乗ることに慣らしていく必要があります。

先ずはエンジンを止めたままで車の中で過ごせるようにします。車の中で一緒に遊んであげるなどして、車の中は楽しい場所というイメージに変えていきましょう。
それに慣れてきたら、今度はエンジンを掛けて止まったままの車の中で過ごせるようにします。
車の中に慣れてきたら、車の中でキャリーやクレートに入る練習をします。
それにも慣れてきたら、家の近所を5分ほどドライブしてみましょう。5分が大丈夫であれば、10分、15分と少しずつ車に乗る時間を長くしていきましょう。

車で公園やドックランなどに行きたくさん遊ぶことによって、犬は車に乗ったら楽しい場所に連れて行ってもらえると思います。
「車に乗る=楽しいことがある」と思うようになれば、車に乗るのが好きになってきます。

7.車酔いに効くもの

飲み物

乗り物酔いには生姜が効くと言われています。

生姜の中のジンゲロールという成分には乱れた自律神経や腸の働きを安定させ、吐きにくくする作用があります。

生姜はチューブ入りの生姜ではなくてすりおろした生姜にしましょう。チューブ入りの生姜には塩分や添加物が入っているからです。

生姜をすりおろした汁を水で薄め、小型犬であれば小さじ1杯程度、中型犬や大型犬であれば1/3カップ程度を車に乗る30分前くらいに飲ませます

ツボ

車酔いに効くツボがあります。

日頃からのツボ押しはもちろんですが、車に乗る30分前からツボ押しするだけでもずいぶん違うようなので試してみてください。

1回1~2秒で左右のツボをそれぞれ20回程度押すようにします。

・前足の内側にある内関(ないかん)

このツボは胃の不快感に効くツボです。胃の働きを調整するため、乗り物酔いによる吐き気に効果があります。
また、精神を安定させ、ストレスを緩和するため、心が落ち着き、よだれの分泌が抑えられます。

・後ろ足の内側にある築賓(ちくひん)

このツボは体の水分代謝を調えることにより内臓の調子を良くし、車酔い、気圧の変化による体調不良の予防にもなります。

酔い止め薬

いろいろ試してみてもそれでも治らないときには無理をせず動物病院で酔い止め薬を処方してもらいましょう。
病院に行く時間がないという場合には、市販で犬の車酔い対策用シロップもあります。

ただ、何らかの病気が原因で嘔吐している可能性もあるので、その際には獣医の先生に相談してみるといいでしょう。

車酔いしてしまったときには

いろいろと試しても車酔いしてしまったときには、飼い主が慌てずに対応しなければいけません。

酔ってしまったときにはできるだけ早く車を停めて、しばらく休ませます。

嘔吐したときにあなたが慌ててしまうと犬はますます不安になります。ましてや叱ってはいけません
叱られたことが記憶に残り車に乗ること自体を嫌がるようになるかもしれません。

車に乗るときにはいつ酔ってもいいようにタオル、新聞紙、トイレシート、ティッシュ、ごみ袋などを準備しておくようにしましょう。

まとめ

車酔いを防ぐポイント

  • 車の中ではキャリーバッグやクレートやケージに入れて、体ができるだけ揺れないようにする。
  • 景色を見る方が落ち着く場合は窓から飛び出さないように注意して外の景色を見せる。
  • 急ブレーキや急ハンドルに注意し、優しくスムーズな運転を心がける。
  • 食事は乗車の2時間前に済ませる。どうしても直前になる時には少量にとどめる。
  • 長くても2時間ごとに休憩。休憩時には食事は与えず、水も少量に。
  • 車内では犬の苦手な「におい」をできるだけ排除する。
  • 車内の温度を快適にする。
  • 車に乗ると楽しい場所に行けるとイメージづける。
  • 生姜汁やツボの活用も。それでも酔う場合には薬の利用も。

当ショップの車用ステッカーで「お先にどうぞ」という文章のものがあります。
この文章を入れてほしいというお客様は多く、ペットに限らず赤ちゃんステッカーやキッズステッカーでも当ショップでは定番となっています。
「ゆっくり安全運転で走っています」と、少しでも後続車の方にアピールでき、事故防止やトラブル防止に繋がれば幸いです。

 

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